鐘小台(かねしょうだい)
鐘小台
鐘など仏具の台として使用され、六角・八角・円など様々な形がある。
鐘の台としては、台になる材料が畳表のみで造ることが一番望ましく、響きが最も良いとされる。
藁床・ボード床などでも作られることが多くなっているが、あまり軽量なのは安定度に問題がある
六角形にしても、紋の表し方に色々な形があり、大きさや厚さに応じて設定されると良い。
また、写真の円型の鐘小台には中央に穴を開けている。これは最も音の響きをよくする為の造作である。
鐘小台の造作(六角)
材料
- 畳表 (1枚の厚み約8分と計算して、仕上りの厚みに必要な枚数)
- 高麗縁(紋の表し方によるが、通常六角の周囲+縫い代部分の長さ)
道具
- 畳製作に必要な道具一式 アイロン(仕上げに使用)
工程1.採寸を決定する
- 造りたい円型の直径に3.14を乗じた長さを円周とし、
紋縁を広げその円周の長さに近いところで紋が収まる寸法を見つける。 - その寸法を3.14で割ると最終の直径がでる。
- 厚みは注文に応じて決定。
工程2.台(床)を作る
- 表面の表には別に1枚裏張りを、裏の表にも1枚裏張りをする計算で、
芯になる床の厚みに対するござを準備し、重ね、六角の印を入れその内側を千鳥縫いで軽く締める。 - 角がばらつかない様にして、六角に落とす。
工程3.縁を作る
- 紋縁の両端を縫いとめて、輪になるように準備する。
工程4.平刺しをする
- 六角のそれぞれ角から対角線を確認し、平刺しの内側の範囲で線を引いて、縫い位置を見つける。
- 縁は、それぞれ側面に当たる紋様に注意し、先ほどの対角線との合流点まで平刺しをする。
- 一辺が終われば、続いて先に平刺しを進める。
工程5.縁を返す
- 角の縁の重なりを一定にし、また余分な部分を切り取って縁を返す。
- 紋縁を裏に回し、角を作りながら仮止めする。
行程6. 縁の合掌を作る
- それぞれの角の合掌をつくり、木綿糸で絎ける。
- 裏の合掌にも、糸で絎ける。
行程7. 返しを入れる
- 裏の縁に対して、先の曲がった針などで目立たぬように返し縫をする。
行程8. 仕上げ
- 全体に霧吹きをし、アイロンで丁寧に押さえ仕上げる。