四天付拝敷(してんつきはいしき)

四天付拝敷(してんつきはいしき)

四天付拝敷

  • 畳表1~3枚程度で、礼拝の座具となるもの。
    四天とは、四天王のことで東西南北の四方を守護する四神のことです。
  • 東に持国天王 (冶国安民)
    西に広目天王 (千里眼)
    南に増長天王 (万物の生と知識を生み出す神)
    北に毘沙門天王(北方の仏の道場を守り常に説法を聞いているので多聞天ともいう
  • 四天における紋の数については、7・5・3紋で表す。
    7・5・3というのは人生の厄年を表す数字で、それを払うために四天をつける。
    場合により、以外の数で四天を表しても役目に支障はない。

四天付拝敷の紋数にはいろいろな仕様があります。

例1

四天 3×3付

例2

四天 3×5付

例3

四天 5×7付

大本山永平寺にはこのようなのもありました。

四天拝敷の造作

 材料

  • 畳表 畳表1枚
  • 厚み 畳表1枚
  • 高麗縁(今回は白中紋) 
  • 紋縁 (白中紋)
  • 和紙(ハトロン紙可) ・四天 15紋(5×3)

道具

  • 畳製作に必要な道具一式

工程1.採寸を決定する

  1. 基本的には、施主よりの注文により決まるが、
    その内で紋が収まる寸法を確認して、丈・幅を決定する。
  2. 長物では幅が、半畳物では一辺の寸法になるが、
    一般的な寸法は紋の数21個(約2尺9寸)になる。

工程2.表張り

  1. 一枚もので織りじわがよりやすいので一日前より、表張りをし伸ばしておく。
  2. 框の切断部分には、あらかじめ糊や紙を貼って固めておく。

工程3.畳表を寸法に落とす

  1. 畳表を大曲に合わしながら、寸法に落とす。

工程4.四天をつける

  1. 畳表を大曲に合わしながら、寸法に落とす。
  2. 内側になる方の紋縁を折り、縁を返し位置を確認する。
  3. 四天を四カ所縫いとめる。

工程5.外周の縁をつける

  1. 下付き(框側)の縁を四天の端に重ねるようにして、平指しをし、縁を返しておく。
  2. 上付きの縁も同じように四天の端に重ねて、また下付きの縁との出会いを確認しながら平刺しをし、縁をかえす。

行程6. 合掌をつくる

  1. 下付きの縁の上に、上付きの縁の隅を三角に折り、紋様を合わせながら仮止めをする。
  2. 先の曲げた木綿針で絎け縫いをする。

行程7. 合掌の仕上げ

  1. 裏に返し、返し縫をする。目立たぬように。
  2. 框の部分の返し縫には、あまり糸を締めすぎないのがコツ。

行程8. 四天を留める

  1. 四天の縁の内側を木綿糸で隠すように留め縫いをする。表の山の部分に縫うと目立たない。