茶室畳の敷方

8畳の間の茶室では、必ず床の間前に枕敷きを並べると聞いたのですが、 それは何故でしょうか?

一般的な8畳の敷き方

一般的な8畳の場合、当然のことのように床の間側に通しものの2間丈を敷きます。
しかし、茶室の場合、必ずそうでないことがあります。
正確にいえば床の間側に2間丈を敷く場合も、床の間の前に枕敷きを敷く場合もあります。同じ8畳の部屋でも茶室の場合、床の間の位置より炉や茶道口の位置によって畳の敷き方が変わります。
勿論施主さんに確認されて、畳を造作するわけですが、案外お茶に詳しくない施主さんがおられると、間違った畳の使い方をされることが度々あります。
そんなときの為にアドバイスをします。

図Aのような場所に炉と床の間がある場合、茶道口の位置によって亭主の入室の位置が決まり、進む方向が決まります。

図1の場合、普通の座敷のような畳の敷き方ですが、茶道口が丈敷きの先付框側にありますので、まっすぐ入って丈先の畳が点前畳となります

しかし、図2の場合は、床の間に対して対象的な位置に茶道口がありますので、矢印のような進み方になり、図1に比べて点前の場所が変わります。

もし、図2の茶道口の位置にも拘らず、図1のような畳の敷き方をした場合、図3の様に、点前畳は枕敷きの畳となり点前するときに亭主と道具との間に畳縁があることになります。このような状況を「腹切り畳」という人がいますが絶対避けなければなりません。

今回は8畳の間を例に挙げましたが、お点前の畳は必ず1枚の畳の中で行なわれますので、他の大きさに関わらず注意してください。

四畳半の茶室の中半畳は、床の間に対して縦横どちらかの方向で敷くのは、 決まっているのでしょうか

家元や茶室によることもあると思いますが、千家(表・裏・武者小路)の場合、図4のように中半畳は縦に(框が床に向く方向)敷きます。
藪内流の場合は、横に敷くことになっています。施主に家元の確認をして、相談してください。