山口研修会(六洲望県楼)
今回は、手床の講習会も兼ねて、山口県の荒川さん御夫妻に幹事と御指導をお願いしました。参加者15名、新人さんがたくさん来られて、TTMとしてもうれしい限りです。
6日のお昼ごろから集まり始め、3時に全員集合。私の挨拶の後、自己紹介を経て、早速荒川有三さんの指導で、手床2枚の制作が始まりました。
予め、荒川さんが準備してくれていた裏菰並べから始まり、下配の位置を決めるためのかい菰を取りつけ、下配、胴菰を並べると、徐々に柔らかな布団のようなイメージになりました。
現在の畳床とは、遥かにかけ離れたもののようですが、この感触を、今の素材で表現するのが、我々付け職人の指名です。上配を並べ、口縫いを終了した時点で、床造りの1日目が終了しました。真っ暗な道を、海に近い宿泊所(六洲望県楼)に到着。さすが山口、ふぐも旨いし、海水の温泉につかり9時頃から、TTMの夜学の始まりです。
今回は新人さんが多かったけれど、いつものペースで夜学が始まり、龍鬢表について、茶室の畳についてなど、様々な疑問や、注意点を話題として夜学の終了は、明日の続きの仕事も考えて午前3時。
明けて、2日目午前9時半ごろから再び荒川工場にて、手床作りの再開。掛け縫いと、筋縫いの両パターンを研修するために半分のスペースに分けて縫い作業の始まりです。
2枚の床それぞれをみんなで分けて、ワイワイやりながら手床の作る最初の苦労を味わいました。一応、昼食後にTTMの研修会は中締めとし、帰宅された方もあります。
しかし、3日目の完成にかけて連泊される若者は、その後も縫い作業と、床締めを少し行い、取りあえず2日目も終了。私と奥田さんは午後7時35分発新幹線で失礼しました。
いよいよ、3日目は連泊されたメンバーで、最後の頑張りです。実は、当初の話では軽く午前中に締め終わると聞いていましたが、そうはいかないのが、TTM。糸を切ったり、結んだりで悪戦苦闘。夕刻近くに出来上がったようです。
手床作りの大変さと、今に生きる畳職人としての責任のようなものを感じながら、
大変貴重な経験をさせて頂いた、TTMの研修会となりました。
今回、幹事とご指導をして頂きました荒川ご夫妻に御礼と感謝申し上げます