金沢研修会(金沢職人大学校)
今回のTTMクラブ金沢研修会には、石川県の地元の方含めて、総勢40人以上参加されました。会場は金沢市が運営される、金沢職人大学の畳科の教室で行われました。
19日(土)午後1時に金沢職人大学に全員が集合し、約束の高麗小紋(九条紋)の勉強です。九条紋には3通りの載せ方がありますので、その3通りを説明する資料を基に、それぞれ体験してもらいました。一般的によく使われる「略式の紋合わせ」、京都の職人が得意で、大変難しい「略式の筋合わせ」、かつての有職本式であって、場所によってはそれを求められる「有職本式の紋合わせ」の3通りです。沢山の参加者でしたので、それぞれの合わせ方を、1本の縁付けを2人で縫い、相対する縁も2人でということで、合計4人で挑戦して頂きました。どの方法も、縁の取り方が大変ややこしく、資料を見ながら、必死に考えて頂きました。出来上がった九条紋の仕上がりは全員でチェックするという緊張ぶりです。4枚の古畳にそれぞれの方法で九条紋を付け、滅多に出来ない経験をして頂きました。
5時を目途に宿にチェックインをし、6時から夕食の大宴会。凄い数の宴会は畳の話で持ちきりでした。11時過ぎより、宿の3階で恒例の夜学。その日は、私も歳のせいで疲れたために夜中の2時半終了しました。
20日(日)午前9時、職人大学の受講生の授業の講師を私が引き受け、回り敷き6畳の高麗中紋縁の表替えをしました。敷地内にある和室から畳を引き上げ、教室で畳の寸法のチェックと紋縁の寸法つくりを約1時間行い、受講生に交じって我メンバーの若い福岡県の佐野君にも経験してもらい、紋縁の表替えをしました。回り敷きですので中敷きと丈敷きの縁の取り方、縁の縮め方、枕敷きなどの部分的な寸法合わせなど、受講生に方にも初めての経験であったようです。TTMクラブのメンバーは、横でそれを全て見学です。昼食後、TTMクラブは終了とし、随時帰宅されました。その後も、職人大学受講生の方たちは3時頃、仕上がった畳を和室に戻し、総評をした後、まだ少し時間がありましたので、神社で使われる、軾(ひざつき)を作って5時30分終了しました。
今回のTTMクラブ研修会は、大変難しく教わる機会の少ない九条紋を特に若いメンバーが経験され、職人大学の受講生には紋縁の面白さと、難しさを感じて頂き大変素晴らしい結果になったと思います。