名古屋研修会 (ウイル愛知)

7月23日から25日の2泊3日で、名古屋市の「ウイルあいち」を会場にTTMクラブの研修会が開催されました。 今回は、季節がら多忙な時期もあって参加者は総勢17名と少なめでしたが、その分各自がしっかりと勉強されました。
23日の初日は、午後1時からスタートし、神社で礼拝に使われる軾(ひざつき)を勉強しました。今回の軾は、二方縁のシンプルなものですが、それゆえに美しく仕上げることが重要で、入念な気配りと作法で挑戦しました。本来、収納するときに折りたたむものですので、その時にも対応できるように縫い方や下紙の使い方にも深く研究をしていただきました。ただの上敷きのように考えていた参加者もいたと思われますが、この研修で畳の基本中の基本を学んで頂きました。今回、参加者が少なかったことで、各自が1枚仕上げることができて、とても良かったと喜ばれました。 夕食後は恒例の夜学です。今回の夜学では茶室における畳の知識として、少なくとも畳屋が知っておかなければならないことを中心に勉強しました。茶室での畳の敷き方法の考え方や、炉擅(ろだん)の仕組み、畳の作り方の注意点、また…特殊な畳の敷き方など、終了の午前2時まで楽しく、かつしっかりと学んで頂きました。
2日目の午前9時から3人でチームをつくり、四天(してん)付きの礼盤(らいばん)を造りました。本来は、袷(あわせ)でござ2枚で仕上げるものですが、今回は特別にござ合計7枚の厚みのものを造りました。先に芯(土台)になる、ござを重ねて糸でしっかり綴じ合わせることで、クッション性が高まります。かなりきつい作業ですが、仕上げてから座った感触も味わってもらいました。 さて、表面の作業では四天の縫い付けを慎重に行ったあと、周囲の下付きの額縁となる縁を丁寧につけたあと、上付きの縁を縫い付け、四隅も丁寧に合掌部分をくけ縫いしました。時間の都合で最終の仕上げは3日目の作業となりましたが、これらすべてにおいて、細かな気配りが必要な個所が多く、その度にアドバイスをして、5枚の隅々までとても美しい礼盤が仕上がりました。
初日の軾(ひざつき)も、四天(してん)付きの礼盤も数をこなすことで、段階を経て腕を上げるもので、各自に復習を怠ることのないように助言いたしました。
その後、最後の研修はメンバーの3人が関わった名古屋城本丸御殿を見学し、大変なご苦労があったことを聞きました。それに引き続き、東本願寺名古屋別院の本堂を訪れ、特殊な形の厚畳などを見せていただきました。
今回のTTMクラブの研修会も、最後までとても充実したものになりました。ここに、かなり事前より大変な準備して頂きました幹事さんに感謝をして、報告とします