京都研修会 (飛騨詰所)

7月19~20日は、TTMクラブの研修会が本場京都で開催されました。
今回の人数、初めての方も数人おられて総勢44名と大所帯の研修会となりました。1か所で留まって研修するのであれば、比較的簡単ですが、今回は訪問先も多く食事先や宿泊先などへの京都市内での移動が多く、少し苦労しました。その度に11台のタクシーを予約し、短時間で経費を押さえて移動できるように配慮させて頂きました。 初日19日は東本願寺前に集合し、直ちに2軒の宿泊先にそれぞれ荷物を預け、最初の研修先の(株式会社)井筒さんを訪れました。この会社は寺社の調度品や装束などの全てを扱う仕事をされています。今回TTMクラブの研修内容は、大昔から公家などがお茵(しとね)や厚畳の額縁として使用していた、繧繝錦や大和錦などを見せて頂きました。普段、地方の畳屋では畳材料問屋から購入するぐらいのものでは、内容も限られ品質も低下商品しか無いことから、本格的な錦を勉強するために訪れました。繧繝錦も基本となるものから、時代により多くの模様が生まれてきたこと、大和錦も現存するもの以外にももっと多くの種類や柄があり、高価なものでは1尺で数万円するものもありました。これら直接、手に触れ、糸を僅か解いて品質の素晴らしさに感動しました。 また続いて「風俗博物館」を訪れました。これも(株)井筒さんが管理されておるものですが、平安時代の公家の慣習や生活の文化などを研究しそれを模型で展示してある京都ならではの、素晴らしい博物館です。ここでは当時の生活や考え方などの説明を受けた後、当時の装束に着替えが出来て、メンバーも数名、当時の雰囲気にどつぷり浸ったようです。 夕刻までお邪魔したのち、包丁や畳針などを扱う「重春」を訪れ、それぞれが手打ちの針を購入しました。また、その後もタクシー11台で伏見へ移動。「月の蔵人」で夕食を頂きました。初めて参加の方も居られましたが、それぞれ打ち解け2時間半の食事会も直ぐに終わりました。
その後、午後10時前から宿泊先での夜学の開始です。2日目に訪問する東山、圓徳院(えんとくいん)で茶室の研修をすることから、茶室の研修をテキストを使って予習しました。ここの茶室は、「深三畳台目の台目切り」の本格的茶室です。現場へ行ってからの研修のポイントを説明しました。またここの本堂の厚畳には、白中紋の畳縁に側面を青海波紋(せいがいはもん)の、飾り縁が付いていることから、この青海波紋の説明や、飾り縁の付け方も説明しました。続いて、2日目の午後に研修する二条城二の丸御殿の畳について説明を加えました。ここは明治以降に全ての畳が特殊な上敷きに変更されているために、その特殊な上敷きの作り方などを予習し、全体の夜学が中締めしたのが、夜中の12時。個別の夜学が終了したのが夜中の2時頃だったと思います。 20日、朝の9時から再び11台のタクシーで全員が東山へ直行。10時から高台寺の塔頭「圓徳院(えんとくいん)」を訪れました。昨夜の予習で学習した三畳台目の茶室を前に、全員が並んでお抹茶を頂きました。これも茶道の先生からのご指導を頂き、お菓子の取り方、食べ方、茶碗の持ち方、頂き方などを学習しました。その後、人数を小グル―プに分けて、茶室に入室。にじり口からの入室する参加者もいて、初めての経験にたいそう緊張していました。写真撮影は出来なかつたのが残念でしたが、薄暗い茶室であるのに、大層居心地がよく、茶道の空気の一端を味わったようでありました。その後、青海波紋の厚畳も研修し、12時に終了。その後は再び11台のタクシーで昼食先へ移動。にわか雨の降る天気の中、雨の止むのを待って、最後の研修先、二条城へ移動です。ここでは先程説明したように特殊な上敷きを研修し、当時の偉大さを堪能したようです。 今回のTTMクラブ研修は、ここで終了です。メニューも多く、絶対に京都でしか学べない王朝文化や茶道など、とても濃い内容ばかりに、参加者全員クタクタに疲れた様子でした。 次回の研修は、九州です。これから九州のメンバー達で内容や、日程を企画して頂けるようお願いして解散しました。
今回の研修を通じて、改めて畳の内容の深さや美しさを味わってくれたことと思います。参加者のみなさん、大変お疲れさまでした。また次回の参加もよろしくお願い致します。